美味しい朝ごはんが食べたかっただけなんだよ

ただの日記。
 
日曜の朝8時半過ぎ。普段だったらきっとまだベットの中で微睡んでいるに違いないその時間に、珍しくメイクまで済ませた私は家の近所のカフェでカフェラテを飲んでいた。何を突然意識高そうなことやってんだよ、なんて自問自答しつつ、モーニングのサンドを頬張る。朝ご飯にしちゃ随分高くついた気がするが、まぁ良い。
 
閑散とした駅前のロータリーを眺めながらも「意外とこんな時間にも活動している人がいるんだな」なんて他人事。人気の少ないその世界を窓の内側から見物しながら、曇りかけの空を見上げる。ひとしきり作業を終えて時計を見れば、やっと10時。そう言えば人通りも多くなった様な。でもまだ10時。今日は長そうだ。

 

カフェラテをもう一杯おかわりするかを悩みながらスマホと空を視線が行ったり来たり。最近再開したカメラを持ち出すこともあまり出来ていない。どこかに出掛けたいな。でも雨が降りそうだ。悩んでいるうちに、いつもより早起きしたのが祟ったのか眠たくなってきた。と、一旦家に帰る。どの道、カバンの中にはiPadとキーボード、そしてブログ用のノート一式しか入っていない。これからカメラを持っていくなら帰るしかない。
 
まだ少し静かな道を歩いていく。そう言えば、向こうの通りに毎年綺麗な赤色の紫陽花が咲いていた気がする。良い時期だ、きっと見頃に違いない。そんなことを考えながら、いつもと少しだけ違う帰り道を歩いていくと、目的の場所には百合が咲いていた。紫陽花はどこへ行ったんだろう。近くにそれらしき株はあるけど、花をつけていなかった。家人の趣味が変わったんだろうか。
 
「紫陽花を撮るなら雨の日が良い」と言う願望と、「雨の日にカメラを持ち出したくない」と言う怠惰の狭間でせめぎ合いながら家に辿り着く。この後の今日をどう過ごそう。出掛けようか、とスマホでマップを開いてみるも、眠気が勝り体が動かない。そうしている内に雨が降ってきた。結構な土砂降りだ。この時期はゲリラ豪雨が怖い。雨音を聞きながらぼんやりとした時間を過ごす。
 
良い天気の日に家に引きこもっていると、勿体無さと優越感が同居する。結局メイクは「モーニングを食べに行く」だけにしか使われなかった。意識高そうな事してたくせに、結局大したことしてないじゃないか。そんな自問をしても、気の抜けた自答をするのだ。
「モーニング美味しかったな。また行こう」